ベネディクト・アンダーソングローバリゼーションを語る
ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書)
- 作者: 梅森直之
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/05/17
- メディア: 新書
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ナショナリズムの「謎」
アンダーソンが発見したナショナリズムの「謎」とは、つぎのようなものだ。
それはまず、近代の発明品であるはずの「日本人」が、あたかも太古の昔にその起源をもち、今日に至るまで綿々と続いてきたと主張する(「国民」の古代性)。次にそれは、実際にはかなりの人が出たり入ったりしているはずの「日本人」の境界を、閉ざされたものであるかのように装う(「国民」の閉鎖性)最後にそれは、さまざまな偶然の結果である人間の集合を、共通の運命によって結ばれた共同体へと変える(「国民」の共同性)。
日本国籍を有する雑多な人々の群れは、こうした操作を通じて、「日本人」という主体へと変換されていく。「国民」を、古く、閉ざされた、主権的な共同体であると見なす「常識」が、なぜ、そしてどのように作られていったのか。アンダーソンの「科学」は、このパズルに立ち向かうものだ。
日本は、どれくらいまえから存在してて、どうして日本人となまえがついていて、いつからいて、誰が日本人と決めたのかと、ちいさいときにひとりで考えていたのを思い出した。
よくわからないから、大人になってなんとなく折り合いをつけました。