プラス思考っていいわけ??
よく悲観的なことや、少し慎重すぎる発言をするとすぐに「もっとポジティブ
に考えたほうがいい。」と助言される。それでもって世の中最近プラス思考が
いいのだとうたった本ばかりが蔓延中。そんな中みつけたプラス思考を少し否定
した本。どうやら筆者はいつでもプラス思考の人は下流に落ちる人だと考えるようです。
普通、ビジネスでは「プラス思考」がよしとされている。何事も「必ずできる」と信じて
実行すれば、必ず(とは言わないまでも、高い確率で)よい結果がついてくる、というわけだ。
しかし、もともとこの「プラス思考」というのは、脳科学の見地から言われ始めたことだった。
プラス思考で脳を働かせると、脳波がα波主体になり、脳内にβエンドルフィンが分泌される。
このβエンドルフィンは、麻薬的快感をもたらすばかりか、若さを保ち、ガン細胞に対しても効果
がある、という説があるのだ。
この説が正しかったとしても、それは健康をたもつことにはつながるかもしれないが、ビジネスが
うまくいく、ということには直接つながらない。ところが、どう間違ったのかしらないが、妙な
「プラス思考」信仰が広まってしまった。「できると信じてやれば、絶対にできる!」などという、
安直な精神主義にすり替わってしまったのだ。
・・・・何の根拠もなく「絶対に大丈夫」と過信して突き進むのは、あまりに無謀というものだろう。
大切なのは、プラス思考とマイナス思考、その両方をバランスよく身につけることである。
上流に昇れる人、下流に落ちる人―The Thinking and Behavior to Succeed
和田秀樹 幻冬舎 引用