知の休日
戦後の一時期、読書ブームというのがあって、読書週間が近づくと、いろんなスローガンが
新聞の見出しなどになったものだ。読書すると人は美しくなる、などという、およそいいかげん
な標語もあった。
本を読んで人が美しくなるわけはない。目が悪くなるくらいのものだ。しかし、その当時は、
教養という言葉がとても大きなものとして感じられていた時代だったから、一日、本に接しないと、
なにか自分が駄目になっていくかのような圧迫感をおぼえたものだった。
わたしは本を読むのが大好きだが、ひとはなにも本など読まなくても生きていけるし、人間らしい
立派な生き方もできると思っている。本を読むというのはやはりその人の趣味、たのしみ、というふ
うに考えたい。本を読むことで人格が向上したり、知性が顔に漂ったりする、などとは考えないほう
がいいだろう。
知の休日 五木寛之 集英社新書 引用
知の休日 ―退屈な時間をどう遊ぶか (集英社新書)
まったくの共感。某OL向け雑誌などによる特集 内面から美しくなるために・・・。
などを連想できる。本を読んで内面を美しく・・・なんてダサイ。とわたしは思うのですが。
虚栄心としったかぶりは漂うと思います。